学部の物理の本の話 : 物理数学

今回は物理数学についてです.

マセマの話

本当にわかんないときは, マセマをなめずに読んだほうがいいです. たまに当たりの本があります. 個人的にあたりの本だったと思うものを書いておきます.

フーリエ解析

フーリエ落単マンなのでとてもよかったです.

複素関数

院試や場の量子論に出てくるわけですが単位はとってたけどほぼ記憶がなくなっていたので役に立ちました.

常微分方程式

基本的にパターンなので整理して使えるようになれると思います.

偏微分方程式

微分が分かっていれば偏微分はいけると思います. これは一応持っといてもいいかもくらいです.

教科書

はじめての物理数学

指定教科書はこれでした. あんま中身の記憶はない.

図解入門 物理数学

図が見やすくてイメージがわかないときに使っていた本. 結構おすすめ.

ガウス・ストークスの話から量子力学のポテンシャル問題も載っています.

物理数学Ⅰ

複素関数の数をこなすのにやったと思います. 割とおすすめ.

物理数学Ⅱ

あんまり特殊関数に関する本を持っていなかったのでとても役に立った本.

それまでは岩波の数学公式集Ⅲを見てたので問題に慣れていなかったのですが

これでいろいろ慣れました. ほんと買ってよかった.

演習の解答はweb上にあるので注意.

ⅠよりⅡのほうが買う意味はあるなと個人的に思いました.

物理数学ノート

前回, 量子力学のときにも紹介しましたが場の話までつながる内容になっていておすすめです. B2, B3くらいで読むのがいいかも.

演習書

大学生の物理数学

単位とるため感ある表紙とは裏腹に結構しっかりとしている問題集

でおなじみの大学生のシリーズ.

ぜひ買ってください.  痒いところに手が届きすぎます.

最近見返してブロッホ球があってびっくりした.

演習しよう物理数学

線形代数がないので大学生の物理数学も持っておくといいかも.

詳解 物理応用 数学演習

カステラ本は辞書的に使っていました.

最後に

数学は物理をする上で現象を記述するために大事なので気を抜かずにやるといいと思います.

 

学部の物理の本の話:量子力学

では今回は量子力学がなんかトレンドに入っていたらしいので量子力学についてです。

教科書

講談社 基礎物理学シリーズ 量子力学

まず、指定教科書は講談社量子力学Ⅰ、Ⅱでした。この本が1冊目でよかったと思っています。レベル感がちょうどよくて、構成も読みやすくてよかったです。

 

現代の量子力学 J.J.サクライ

学部2年くらいのころになんか買ったのがJJサクライでした。ブラケットのためにパラパラ見たくらいでした。原子核の話をしたい人は買ってください。

量子力学 猪木川合

猪木河合で有名な量子力学です。今思えば期末テストはここから持ってきたんだろうなって感じです。例題がたくさん載っています。演習書のように使うのがいいです。さすがに全部はやってないですが院試する上でかなり読み込んで理解が良くなったのでおすすめです。演習しよう量子力学をやった後でもいいと思います。

 

Ⅰ、Ⅱを買うのが理想ではありますが学部レベルであれば基礎のほうで十分に足りる人が多いので金銭的にきつかったらこっちでいいと思います。

量子力学Ⅱ 清水

学部4年でうちは散乱とかやるんですけどその時の指定でした。

新版 量子論の基礎

これが真の一冊目感はかなりありますが知らなかったので、堀田量子を読むときの参考で使いました。量子で出てくる確率や重ね合わせなどの重要な概念の理解に使え、本当に基礎を抑えてくれているのでいい本です。買ったほうがいい。

 

adovancedな教科書

入門 現代の量子力学 

いわゆる堀田量子。ここ半年くらいはゆるゆるこれの理解を深めているわけですが従来の量子力学の教科書とはかなり違うので院試時期に手を出さないほうがいいです。あと一人で読まないほうがいいです。いろいろ引き出しの多い教員や読んだことのある先輩と読むのが深く理解できると思います。ただ読むだけなら構いませんが、たぶん迷走します。まあ一冊目ではない。

解析力学量子論

先日書いた

iranaiyairanai.hatenablog.com

力学についてのときにも載せましたがおすすめです。ぜひ買ってください。黒体や干渉の話も良い感じに説明してあります。

量子力学10講

指導教員曰く谷村さん感は薄いです。Amazonでポイント還元がでかかったので買った本です。10講なのでコンテンツは少ないですが読みやすくて俯瞰できます。

量子の不可解な偶然

指導教員から渡された本。一般向けらしいが一般向けではないと思うし、一般向けに話すのは難しいのかもしれない、、、

 

演習書

演習しよう 量子力学

これもだいぶ有名かもですが薄いのにうまくまとまっています。これを何周かすれば院試問題も半分くらいは解けるようになるのではないのでしょうか。これと猪木川合あれば対策できます(たぶん)。

詳解演習 量子力学

カステラ本の量子力学です。研究室スタッフが素粒子論の研究になっても参考になることがあると絶賛している本です。(私はやってない)

 

併せて読みたい物理数学の本

物理数学ノート

これは物理をやることになった工学系の院生からの物理屋への質問がベースになっているのでかなりわかりやすいです。量子の話が多いので量子力学を学ぶ上で数学で躓いたら読むといいかもです。学部で量子を学ぶときに知ってたらと思った本でもあります。

 

最後に

今回は量子力学についてでした。院試では得点源になることも多いと思います。しっかり演習するといいと思います。

ただ、計算ができても意味が分からないのが量子力学でやればやるほどわからなくなります。沼なので楽しいです。また、研究室に入ってからは相対論的量子力学や場の量子論とこの後も続いていきます。解釈が難しいのでいろんな人と話して理解を深めるのをおすすめします。

学部の物理の本の話:力学編

自分の院試が終わって早数か月

 

気が付くと後輩から相談が来るようになっていてびっくりしていますが

学部時代の教科書や演習書について独断と偏見、感想を書いて残しておけという

アドバイスをもらったのでやっておこうと思います。

 

力学について

やったのが前過ぎて記憶があいまいなのですいません。

古典力学

特に剛体が出るところを受けるわけでもなかったので読んだ本と持っている本の話をしておきます。

解析力学

いろんな場所でお世話になります。ただ、習ったばっかのころはあまりはまらず、特筆してこれをやるという感じではなかったので量子力学とかで深く重要性を感じて面白いと思うようになりました。

 

教科書

物理学の基礎 力学

高校2年生の冬に訳があって少し大学の教員にお世話になっていたのですが、その時に渡された本です。それまで暗記で乗り切るしかなかったが微積物理を知ることになった本です。記憶があいまいだけど多分これなはずです。その頃は微分方程式を数学寄りにつまんでいた感じでした。橋渡しとして良かったです。まあ、雑誌でいえばニュートンみたいな感じ。

 

ゼロからの力学

推薦で大学に合格した後に来た課題の教科書です。本当にゼロからのって感じだけど高校からの橋渡し要素は薄かったような曖昧な記憶です。

力学の基礎

学部でやる力学の教科書(確か指定だった)でした。考える力学のほうがよかったからあんま読んでないです。

 

考える力学

学部でやる力学の教科書(参考)。分厚くて萎えるけどわかりやすくていい本です。買ったのに、なぜか先輩からもらって2冊持っている時期がありました。1冊目におすすめです。

考える力学 第2版

考える力学 第2版

Amazon

 

ランダウ力学

まあ有名だしみたいな感じで買って何回かゼミで読むことになりました。その辺の人が1冊目で読むような本ではないので注意してください。

マセマ力学

メルカリでセットで買ったほう安いなって思って買った開いたことないです。

導出が載っているので独学でやる人にはおすすめ。(先輩談)

演習書

新演習 力学

薄いのでちょうどよくまとまっています。巷で黄色い本って言われていたりするシリーズです。

詳解力学演習

カステラ本って呼ばれている共立出版の演習書。とっても量が多く、レベルもそれなりに高く、辞書的にも使えるので持っていて損はない。私の場合、解析力学の演習が足りないと思って買った。

大学生の解析力学

かなりおすすめ。全部をやる必要はないと思うけど内容がしっかりしているので後から使えることも多いように思いました。

 

番外編(advanced)

解析力学量子力学の種みたいな感じなのでそういう本を置いておきます。

量子力学を学ぶための解析力学入門

ブックオフで安くなってたから買ってみた本です。量子力学への接続にいい本だと思う。入門なので普通に解析力学で習う内容になっている感じです。

 

解析力学量子論

結構好きな本。経路積分や場の量子論に繋がるようなネタも載っています。

 

力学まとめ

これから勉強する人向け

できれば微分方程式をマセマでもなんか教科書でも何でもいいのでつまんでから力学を勉強するのがいいと思います。ランダウ有名ですけどイキって手出さないほうがいいですがそれくらいしかきっかけないかもなのでこんなのがあるのかとみてみてもいいかもです。物理をする上であくまで現象を記述するために数式を使っているので、数学のドツボにはまらないように気を付けてください。

大学院入試で使う人向け

学部一年から久しぶりの登場になってちょっとビビりますよね。解析力学しかちゃんとやったとは言えないですが、大学生の解析力学と詳解あれば耐える気がしてます。剛体はそんな知らないですがきっと一緒な気がしてます。

専門外の人向け

まず私が理学部物理にいるので他の学部や専門の人がどんな感じでやっているのかは流石にわからないので物理やってる人向けです。物理って数学じゃんって思うかもですがあくまで現実に起こる現象を数式という言語を使って記述しているので数学的には曖昧なところが多いです。

 

LaTeXの(簡単な)構造

先日テンプレをあげたのですが今回はその大枠構造についてです.

⚠️高二の夏からかれこれ6年以上一応使っているので多分そこそこ知ってる人のメモです. なのでところどころ抜けている可能性があります. これについてほしいとかあったらコメント等ください. また, インストールについては適当にサイトを参照してください.
最初は絶望的に時間かかるけどがんばろう!

基本的にコピペでやっていくとスペルミスを防げるのでおすすめです. またインストールしたエディタやっていてLaTeX打ちに慣れてきたらVScodeやオンラインエディタ移るのがいいと思います. ちょっとコマンドを打つとサジェストがあるのでおすすめです.

大枠の構造

テンプレではだいたい以下のような感じになっています. まとまりを色分けしました. まとまりの順番を変えるとエラー吐くので間違えないように気をつけましょう.

\documentclass[10pt, a4paper, titlepage]{jsarticle}

\usepackage{必要なものを羅列}

\title{サンプル}
\author{氏名}
\date{\today}

\begin{document}

\maketitle

\tableofcontents %目次

\section{Introduction}
\subsection{あああ}

\end{document}

それぞれについてまとめていきます.

\documentclass について

ここで書式を指定します.

\documentclass[文字サイズなどのオプション]{日本語などの文書クラス}
\documentclass[10pt, a4paper, titlepage]{jsarticle}

レポートならこれで基本事足りると思います.
スライドのときはもちろん変わります.
調べたらいろいろ出てくるので必要なものを使います.

\usepackage について

TeXではソフトに入っている設定を宣言して呼び出して使います.
たま〜にインストールが必要なときがあります.

必要あれば\usepackage入れよう!忘れないで〜

少し例をあげておきます.

\usepackage{pgfplots}
TeXの描画パッケージ:TikZ/pgfを利用してTeXにグラフを描画するパッケージ. gnuplotを使う場合と違ってTeXソース内部で表の設定ができる.

\usepackage{bm}
太文字にしたいときに使うパッケージです.

\bm{ここに入っているものが大文字になる}

\usepackage{comment}
長文や改行を含むときに使うパッケージです.
一行だけなら%を使うことが多いです. %以降に書いた文章がコメントアウトされます.

\begin{comment}
ここに入っているものがコメントアウトされる.
\end{comment}

他にもpackageはたくさんあるので必要なものがあったら使っていきましょう.

本文

\begin{document} 
ここの間本文を書いていきます.
 \end{document}

\usepackage{}とかは\begin{document} 以前に書こう(必ず)
↑最初のうちは間違えがち

タイトルの作り方

\title{サンプル}
\author{氏名}
\date{\today}

\begin{document}
\maketitle

の順番を守るの大事です. \maketitleのある場所にタイトルがつくられます.

titlepageなしの場合

タイトルページとして別ページにしたいときは
\documentclass[10pt, a4paper, titlepage]{jsarticle}
というようにtitlepageを書式で入れると別になります.

titlepageありの場合

目次の作り方

\tableofcontentsを\maketitle(タイトルあれば)のあとに入れます.

\begin{document}
\maketitle
\tableofcontents %目次

ちなみにこの赤枠はクリックするとその場所にジャンプできまっせって意味です.

デフォルトの設定でやるとsectionとsubsectionまで表示されます.
本文中でsubsubsectionを使っていて, その階層まで目次に書きたい...
そんなときはプリアンブルに,

\setcounter{tocdepth}{3}

と追加すればok.

プリアンブル:\documentclass と 文章が始まる\begin{document}の間のこと.

数字はそれぞれ

0 chapter
1 section
2 subsection
3 subsubsection

に相当します.

まとめ

今回は大枠の構造とそれぞれの説明を少ししました. 階層の理解と順番を間違えてはいけないもの何かを理解することは最初のうちにしっかり身につけるとエラーが減るのでおすすめです.

LaTeXのレポートとスライドテンプレ

最近notionにLaTeXのメモをまとめていたのですが少しづつ移植していこうと思います.

⚠️高二の夏からかれこれ6年以上一応使っているので多分そこそこ知ってる人のメモです. なのでところどころ抜けている可能性があります. これについてほしいとかあったらコメント等ください. また, インストールについては適当にサイトを参照してください.
最初は絶望的に時間かかるけどがんばろう!


まずは, たまにLaTeXのテンプレ需要があるので貼ってみました. %はコメントアウトでメモ書きしてます. usepackage多めですが要らなかったら消してください. なんだこれって思ったら{}の中身をググると出てくると思います.

レポート
\documentclass[10pt, a4paper, titlepage]{jsarticle}
\usepackage[utf8]{inputenc}
%\pagestyle{empty}
\usepackage[dvipdfmx,nosetpagesize]{graphicx}
\usepackage{braket}
\usepackage{amsmath,amssymb}
\numberwithin{equation}{section} %番号付け
\usepackage{float}
\usepackage{here}
\usepackage{pgfplots} 
\usepackage{bm}
\usepackage{appendix}
\usepackage{comment}
\usepackage{caption}
\usepackage{mathcomp} %角度の〇
\usepackage{siunitx}
\usepackage{color} %文字色つける
\usepackage{subfigure} %図表を並べる
\usepackage{wrapfig} %文章中に図や表を埋め込む
\usepackage[dvipdfmx]{hyperref}
\usepackage{pxjahyper}
\usepackage{ascmac}%枠付きの文章
\usepackage{tikz}

\setcounter{tocdepth}{3} %階層をsubsubまで
\usetikzlibrary{arrows}%矢印を描画するための設定に必要

\title{サンプル}
\author{氏名}
\date{\today}

\pgfplotsset{compat=1.18}
\begin{document}

\maketitle

\tableofcontents %目次
\clearpage

\section{Introduction}
\subsection{あああ}

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ. %なるべく強制改行使わないように

いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい.

\subsubsection{いいい}
うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう.

\begin{equation}
    a=\sin\theta
\end{equation}

\appendix
\section{ふろく}
\subsection{ふろく}


\end{document}

overleafに置いているのでここからコンパイルの確認ができます.
ja.overleaf.com

スライドサンプル
\documentclass[aspectratio=169, dvipdfmx, 12pt]{beamer}

% 使用するパッケージ 
\usepackage{here, amsmath, latexsym, amssymb, bm, ascmac, mathtools, multicol, tcolorbox, subfig, comment, braket}
\usepackage{otf}
\usepackage{url}
\usepackage{wrapfig}

%\usetheme{Boadilla} よくあるテーマ
\usetheme{metropolis}  %よくあるテーマがダサいのでこれにした.

\title{タイトル}
\subtitle{サブタイトル}
\author{なまえ}
\institute{所属とか}
\date{\today}


\begin{document}


\frame{\maketitle}


\begin{frame}{目次}
    \tableofcontents
\end{frame}

\section{いろいろ書いてみる}%スライド内のタイトルページ
\subsection{あああ}%目次に欲しい
\begin{frame}{ああああ}%スライドに載るのはこれ
    箇条書き
    \begin{itemize}
        \item いっこめ
        \item にこめ
        \item さんこめ
    \end{itemize}
    いいいい
\end{frame}

\subsection{数式}
\begin{frame}{数式}
    式番号あり
    \begin{equation}
        y=x
    \end{equation}
    式番号なし
    \begin{equation*}
        y=x
    \end{equation*}
    
\end{frame}

\section{図と表}
\begin{frame}{図を入れる}
    \begin{table}[]
        \centering
        \begin{tabular}{|c|c|}
        \hline
           あ  & え  \\
        \hline
           う  & お \\
        \hline
        \end{tabular}
        %\caption{Caption}
        %\label{tab:my_label}
    \end{table}
    こんな感じ. 寄せたかったらwrap使う.
\end{frame}


\end{document}

スライドサンプルのoverleafはこちら.
ja.overleaf.com

Beamerの使い方はこのサイトがおすすめです.
dreamer-uma.com